徒然雑記帳

ゲームプレイを中心に綴っていくだけのブログ。他、ゲーム内資料保管庫としてほいほい投げます。極稀に考察とかする…かな?お気軽に読んでいってください。

人形の騎士 【第12巻 紅蓮の悪魔】

悪魔人形《カラミティ》が地を蹴りました。

反動をつけて、一瞬で間合いを詰めてきます。

 

ペドロの反応が、ほんの少し遅れました。

後ろの王女に悟られたくなかったからです。

そこに生じた、わずかなスキが致命的でした。

 

まず、剣が宙にはじかれました。

続いて、凶爪が立て続けに叩き込まれ

青い胸甲がバターのように抉られました。

 

 

『ほーら、どうしたのさぁ?』

 

 

尻尾がしなり、すらりとした両腕が

ぐしゃりと無残に潰されました。

 

 

『くふふ、捕まえた♪』

 

 

鉤爪が、羽根飾りの兜を鷲掴みにすると

蒼騎士の爪先が、大地から離れていきました。

 

 

『や、やめろぉぉっ!』

 

 

丹誠こめて作った初めての人形が

めちゃくちゃに壊されてしまう・・・

ペドロは、我をわすれて駆け寄りました。

 

 

『せっかちさんだなぁ。

心配しなくても、返してあげるのに』

 

 

紅い悪魔は、蒼騎士を高々と持ち上げ

ペドロに向かって投げ飛ばしました。

 

 

『ぐふっ・・・』

 

 

全身を衝撃が襲って、ペドロと蒼騎士は

おり重なるように芝生に叩き付けられました。

 

 

『もう、やめてください!』

 

 

王女が、大の字に両手を広げて

人形師の前に立ちふさがりました。

 

 

『この身をあなたに預けます。

そのかわり、これ以上の暴挙は許しません!』

 

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