徒然雑記帳

ゲームプレイを中心に綴っていくだけのブログ。他、ゲーム内資料保管庫としてほいほい投げます。極稀に考察とかする…かな?お気軽に読んでいってください。

帝国時報 1204年前期

 

第1号(1204/4/18)

 

【政治】帝国政府、年度予算を発表

 政府はバルフレイム宮にて会見を開き、本年度予算案を正式に発表した。同時に軍備拡張計画を発表、かねてよりオズボーン宰相が予告していた通り、陸軍機甲師団のさらなる強化を行うという。

 カルバード共和国が軍備拡張を続ける以上当然の事であり、大国の義務であろう。(本誌論説委員

 

帝国議会の反応◆

 帝都では並行して貴族院・平民院が開かれ、予算案が審議された。平民院では予算案、軍備拡張案ともに満場一致で採決されたが、貴族院では始終激しい批難にさらされた模様だ。

「陛下には厳然たる判断をお願い申し上げたい」(貴族院議長)

 しかしながら陛下はオズボーン宰相に予算案決定をご一任されており、覆る可能性は低いと思われる。

 

帝都長レーグニッツ知事の話:

 私は全面的に賛成ですね。軍事面の話ばかりが強調されていますが、全体として極めてバランスが取れた予算案です。

 帝国の近代化をどう進めるか、宰相閣下には明確なビジョンがある。(登庁前に本誌記者の質問に答えて)

 

 

【社会】交通基本法から1年 ~その運用状況は~

 帝都で交通基本法が施行されて1年となる。導力車の本格普及を見据えた法だが、読者諸兄はどう受け止められただろうか。

「概ね好意的な声が多いようですが、平民車と貴族車を対等に扱うのはおかしいという意見も寄せられていますね。」(施行に全面協力した帝都庁広報)

 なお帝国政府は交通事故防止に一定の成果があったとし、今後は帝国全土への適用を目指すとしている。

 

【文化】交易町ケルディックの大市

 定期的に開かれる“大市”で有名な東部の町ケルディック。今年も春物市が開かれ、多くの商人や観光客を引き寄せている。そもそも何故これほど商売が盛んなのか。「古くから重要な交易路上に位置していたからです」と答えるのは大市の元締めを務めるオットー氏。現在でも大陸横断鉄道と国内線が交わり、国内外へのアクセスが最高なのだとか交易町は今日も熱く燃えているようだ。

 

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第2号(1204/5/22)

 

【政治】帝国領邦会議、開催される

 四大名門を中心とする大貴族の会合《帝国領邦会議》が開催された。本年度の会場はクロイツェン州・公都バリアハート。四大名門の代表が一堂に会し、革新派勢力への対抗策について話し合った模様だ。

 

会議関係者の話:

 帝国の伝統を支え、帝国たらしめてきたのは我々貴族である。いわゆる「革新派」の輩は200年、300年を見据えているか。矜持も知らず、即物的な考えしかできぬ者に治世は語れぬと知るべきであろう。

 

 

【国際】クロスベルで暴動事件発生か

 東部クロスベル州にて暴動事件が発生したとの情報が入っている。深夜の街を暴徒が襲い、機関銃を乱射する場面もあったとのこと。カルト教団が引き起こしたと見られ、現在クロスベル警察が調査を続けている。

 なお、IBC(クロスベル国際銀行)に影響はなく、翌日から営業を再開した。関係者各位は安心されたい。

 

【経済】オズボーン宰相、ジュライ特区視察

 経済特区として急成長を続ける西部ジュライ特区だが、先日オズボーン宰相が電撃訪問した模様だ。現地代表者と会談し、今後のビジョンを話し合ったと思われる。変わらぬ行動力、そして的確な対応に関係者は「まったく脱帽です」と驚きを隠せない。

 

【事件】怪盗B、再び入国か

 かねてより帝国各地を騒がせている怪盗Bが、再び入国したという情報が入っている。神出鬼没で知られる怪盗Bがまたもや姿を見せるのか。何度も出し抜かれている相手だけに、帝都憲兵隊は警戒を強めている。

 

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第3号(1204/6/15)

 

【経済】RFTF、一般公開始まる

 2年に一度、RF社の新製品が一斉に披露されるReinford Trade Fair(RFTF)。本年度より一般客にも公開されるとあって、現地ルーレの街は見物客で溢れている。

 

◆最新鋭の製品がお目見え◆

 導力コンロから銃器まで揃う、世界最大の導力製品見本市として知られるRFTF。今年は導力車の新ラインナップから飛行艇、新型戦術導力器、更には導力洗濯機なるものまで登場。大陸中から取材が殺到していた。

 

◆イリーナ会長の会見◆

 会見にてRFグループのイリーナ会長は、今年を新たなる躍進の年として位置づけると宣言。「大陸全土を見渡せば、我々は圧倒的であるとは言えない」「国際的イニシアチブを取る」。

 

 これは会長肝いりで新設された部門、第四開発部の先端研究が製品として結実しつつある状況を受けてのものと思われる。会場の第四開発部コーナーでは、準帝国性の導力ネットワーク端末や新型戦術導力器(通称ARCUS)、また導力杖と呼ばれる個人兵装などが展示されていた。

 

 

【文化】《紺碧の海都》にあの方がお目見え

 今年のオルディスの夏至祭は、一層粋な催しとなりそうだ。宮廷報道官の発表によると、今年はオリヴァルト皇子殿下がオルディスの夏至祭に出席される予定とのこと。風流人で知られる殿下だけに関係者は期待を高めている。また「革新派と貴族派の対立緩和という狙いもあるのでは」(宮廷関係者)

 

【国際】クロスベル州市長選、決着

 東部クロスベル州で行われた市長選でディーター・クロイス氏が当選した。IBC(クロスベル国際銀行)総裁として知られる氏だが、職は辞せず、総裁職と兼任するという。敏腕銀行家である同氏だけにクロスベルの一層の経済発展が期待される。

 

【名店探訪】レストラン《ソルシエラ》

 美しいバリアハートの中央広場に面した高級レストラン《ソルシエラ》。オーナーシェフによる絶品料理を出すことで知られる名店だ。記者も「ジュエルポタージュ」(640ミラ)に感動! なおクロイツェン州では大規模な増税が行われたが、客入りに大きな変化はないとの事。

 

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第4号(1204/7/17)

 

【特集】帝都の夏至祭迫る

 各地より1ヶ月遅れの夏至祭が帝都で開かれる。多くの行事が合わせて執り行われる季節だが、今年は陛下に代わって3人の殿下が出席予定だ。

 

「驚きました。いよいよアルフィン殿下が出席されるなんて」と声を弾ませるのは帝都の学院に通う女性(18歳)。皇族の方々の中でもアルフィン殿下の大ファンだという。他にもオリヴァルト殿下の公式行事への出席を喜ぶ声が聞かれた。

 例年参加なさっているセドリック皇太子殿下と合わせ、お三方が揃い踏みの夏至祭。華やかになるのは間違いなさそうだ。

 

◆アルフィン殿下のお相手は◆

 またアルフィン殿下は園遊会に参加なさる見込みで、公式の場では初めてダンスを踊られることとなりそうだ。国民的人気が非常に高い殿下だが、果たして気になるお相手は。判明次第、本誌でも特集させて頂く予定だ。

 

 

【国際】ノルド高原で武力衝突?

 帝国北東に位置するノルド高原にて、武力衝突の危機があった模様だ。偶然居合わせた本誌カメラマンによると、一時は緊迫した状況だったとのこと。「共和国が属州化を主張している地域は、どこも潜在的な危険を孕んでいる」(軍関係者)

 なお、危機は早急に回避されたようだ。「来月にはクロスベル州で国際会議が予定されている。マイナス要因の排除に情報局辺りが動いたのではないか」(同氏)

 

【文化】帝都歌劇場(ヘイムダルオペラハウス)へようこそ

 帝国の誇る文化《オペラ》の最高峰といえば帝都歌劇場だ。そう、あの《蒼の歌姫》ヴィータ・クロチルダを見ることができる場所である。オペラに愛されし麗人、その声と“情景を見せる”と言われるほどの表現力は人を感動させずにはおかない。帝国人なら一度は訪れるべき帝都歌劇場、気になるチケットの状況は? 「最短でも2ヶ月待ちとなります」(同支配人) 

ちなみに夏至祭では記念公演が行われるが、既に完売との事。

 

【名店探訪】音楽喫茶《エトワール》

 帝都アルト通りに佇む小さな名店。淑やかな旋律と共に味わうハーブティが絶品だ。定番メニューは「ふわとろオムレツ」(280ミラ)。熱々の卵と白米の奏でる絶妙なハーモニーは一見、いや一食の価値アリだ。

 

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第5号(1204/7/26)

【特別号】帝都夏至祭を巡る

 いよいよ帝都の夏至祭が始まる。特に初日は伝統的な行事が多く執り行われ、見物される方も多いのではないだろうか。

本誌も特別号と銘打ち、見所をご紹介しよう。

 

◆皇族の方々のパレード◆

 まずは最大の目玉であるパレードである。皇族の方々を間近で拝見できる数少ない機会。見逃さないよう注意されたい。

 

 セドリック皇太子殿下は、例年通り大聖堂のミサに出席なさる。紅いリムジンでヴァンクール通りを西へ抜けられるようだ。

 

 オリヴァルト殿下は競馬場で《夏至賞》をご観戦の予定。リムジンは緑でヴァンクール通りを直進、南へ向かわれるだろう。

 

 アルフィン殿下はマーテル公園で園遊会に参加される。白のリムジンでヴァンクール通りを東、ガルニエ地区方面へ進まれる。どうかパレード見物の参考にしていただきたい。

 

◆各国大使が帝都に到着◆

 宮中晩餐会に参加する各国大使が帝都を訪れている。リベール王国からはデュナン公爵、クロスベル州からはマクダエル議長が参加。レーグニッツ知事と挨拶を交わした。また来月開かれる西ゼムリア通商会議の調整も行われる見込みだ。

 

◆帝都憲兵隊よりの告知◆

 夏至祭初日は帝都各所で大変な混雑が予想される。当日は憲兵の指示に従い、交通規制と混雑解消にご協力いただきたい。

 

 

【企画】独占インタビュー・鉄道憲兵

 本年の帝都夏至祭の警備に参加するという《鉄道憲兵隊》の責任者に話を伺った。

 

本誌:取材をお受けいただきありがとうございます。

   早速ですが、なぜ鉄道憲兵隊が夏至祭の警備を?

クレア憲兵大尉(以下大尉):鉄道は全く関係ないのに、という疑問ですね?――そうですね、質問で返すようですが、『鉄道の本拠』がどこかご存知でしょうか?

本誌:鉄道の本拠……でしょうか?

確か車両はルーレで製造されていたと思いますが……

大尉:全土に広がる鉄道網は、全てこの帝都より伸びているのです。つまりこの街、帝都は我々にとっても本拠と言えるでしょう。鉄道沿線の街に対して特殊な治安維持権限を持っている我々ですが、帝都の安全を守るのも使命と心得ています。

本誌:なるほど。てっきり帝都憲兵隊が人手不足なのかと。

本日はどうもありがとうございました。

 

【速報】怪盗B現る!

 帝都の宝石店《サン・コリーズ》にて特別展示中だったティアラ『紅蓮の小冠』(時価約1億ミラ相当)が盗まれた。犯人はあの怪盗Bとされ、同日中に無事奪還されたものの、相変わらずの手並みに関係者は動揺を隠せない。

 帝都憲兵隊の担当者は「夏至祭前日とは盲点だった」と警備を引き締めている。

 

第6号(1204/8/21)

 

【速報】帝都テロ事件・続報

 宮廷報道官は会見にて、テロ事件後の皇族の方々のご様子を公表された。最も大きな危険に晒されたアルフィン皇女殿下も大事は無く、先日ご学業に復帰なされたとの事だ。

 

◆帝国解放戦線とは◆

 3人の殿下全員が危険に晒され、レーグニッツ帝都知事も負傷を負った今回のテロ事件。街は平穏を取り戻したかに見えるが、言語道断な凶行に及んだ、自称『帝国解放戦線』の足取りは未だ掴めていない。捜査にあたる精鋭部隊、鉄道憲兵隊は「全力を挙げて追跡中」という。

 

◆事件解決に尽力◆

 当時大混乱に陥った現地だが、事件解決に尽力した人々がいた。帝国政府は各位に感謝状を贈ったという。特に的確な指揮でドライケルス広場の混乱を収めた学生1名には特別感謝状が、アルフィン殿下を救出した民間人たちには特別な謝辞が贈られたようだ。

 

 

【国際】西ゼムリア通商会議迫る

 今月末にクロスベル州で開かれる《西ゼムリア通商会議》。西ゼムリア地域の今後の発展を占うとされる国際・経済会議に向けて、関係者は準備に追われているようだ。「大陸規模の国際会合自体が史上初のこと。大国としての責任を果たしていく」(政府関係者) なお会議にはオリヴァルト殿下、並びにオズボーン宰相閣下が参加される予定だ。

 

【文化】帝国時事放送、1周年!

 読者諸兄は『導力ラジオ』を嗜まれるだろうか。どこでも手軽に音声放送が楽しめるラジオ放送、実は記者もハマっている。丁度本誌系列のラジオ局《帝国時事放送》が開局1周年を迎えるとの事なので、手前味噌ながら取材を行ってみた。

「時事放送のアピールポイントは?」

「先行する他局に比べて、広域で安定した視聴が可能なことと公正な放送を行う事ですね」(広報)

 

【車窓の旅】エベル湖

 今回訪れるのは帝国東部に位置するエベル湖。静謐な湖畔での一泊は最高のリフレッシュだ。対岸に佇むローエングリン城はかの聖女の城として知られ、悠久の歴史に触れることができるだろう。アクセスはバリアハートより南、エベル支線から。

 

第7号(1204/8/30)

 

【特集】西ゼムリア通商会議

 西ゼムリア通商会議がいよいよ開催される。史上初の国際会談として注目が集まる今回の会議。関係者が続々と現地入りするクロスベルから記者がお伝えする。

 

◆4ヶ国の顔ぶれは◆

 出席者はいずれも各国の最重要人物ばかりだ。我が帝国からは陛下の名代としてオリヴァルト皇子殿下とオズボーン宰相閣下。共和国からは政府代表ロックスミス大統領。北のレミフェリア公国からは国家元首アルバート大公が見え、南のリベール王国からもクローディア王太女がご出席される予定だ。

 

◆噂の会場《オルキスタワー》◆

 会議の会場は完成したばかりの超高層ビル《オルキスタワー》だ。ルーレのRF本社ビルを抜き、大陸最高となる地上250アージュ、40階建ての最新鋭ビルは“頂上が見えない!”ともっぱらの噂。開会式にて正式にお披露目されるという。

 

◆会議の行方は◆

 西ゼムリアの首脳が一堂に会する今回の会議、果たしてどのような議論が交わされるのか。「予想は難しい。そもそも帝国政府代表と共和国大統領が会談を持つこと自体が史上初」(元外交官) 今後の国際情勢を左右するのは間違いなさそうだ。政治・外交・経済の専門家が固唾を吞んで見守っている。

 

【経済】ノルティア州で増税が告知

 ラマール・クロイツェン両州に続き、北部ノルティア州でも大規模な増税が行われる模様。近年例にない重税であるため、各所からは非難の声が上がっている。

 また州都ルーレに本拠を置くRF社も増税問題に初めて言及。帝国経済を減速させる可能性があるとして、領主ログナー家に意見書を提出したという。

 

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第8号(1204/9/18)

 

【特集】通商会議襲撃事件の全貌

 帝国政府は会見を開き、先月クロスベル州で起きた通商会議襲撃事件の詳細な報告書を纏め、皇宮へ提出したと発表した。本誌も資料を入手したため、改めて事件の全貌を追ってみたい。

 

◆テロリストの正体は◆

 会場を襲撃したテロリストは、2勢力あったことが明らかになっている。共和国内で活動する『反移民政策主義』――そして『帝国解放戦線』である。両テロリストは互いの目的のために手を結び、要人殺害を目論んだと思われる。

 

◆事件解決の経緯は◆

 会議中の超高層ビルを急襲したのは機関銃を備えた飛行艇。さらに両テロリストグループがビル内に侵入し、警備部隊と壮絶な撃ち合いとなった。この絶望的状況を覆したのはオズボーン宰相閣下である。事前に派遣していた精鋭部隊が活躍、結果オリヴァルト皇子にも大事なく事件を終息させた。

 一重に閣下の危機管理能力の賜物といえる事件の経緯。だが当時の警備体制を見た専門家は「手緩すぎると言わざるを得ない」(軍関係者)。政府内にも非難の声があるという。

 

◆事件後の対応は◆

 犯人を帝都テロ事件と同一犯であることを受け、帝国軍は警戒レベルをさらに引き上げ行方を追っている。まさに国賊に値するテロリスト集団と言えよう。何か有益な情報をお持ちの方は早急に通報されたい。

 なお、事件後クロスベル州が独立を宣言したという情報があるようだ。脈絡がなく流言の類と思われる。

 

【政治】帝国領邦会議が臨時招集

 西部ラマール州・海都オルディスにて帝国領邦会議が臨時で開かれた。帝国解放戦線のテロを受け、各地の治安維持で結束が確認されたという。

「我々は貴族としての責務を果たします」(会議に出席した四大名門の方)

 

【車窓の旅】温泉郷ユミル

 今回は装いを変え、ローカルな路線に乗ってみたいと思う。『ユミル山岳鋼索鉄道』――いわゆるケーブルカーである。1時間弱の旅の先、たどり着くのは温泉郷ユミル。雄大なアイゼンガルド連峰に抱かれつつ、一献傾けるのはいかがか。

 

【文化】カレル離宮

 帝都近郊に足を伸ばすと、思わぬ発見をすることがある。北西に位置するカレル離宮もその一つ。皇族の両殿下がお住まいになられる美しい離宮だ。警備担当者に聞いてみた。

「アルフィン殿下はここから女学院に通われているんですよね。リムジンが通るのは毎朝何時ごろでしょうか!?」

「殿下は専用列車でご登校なされます」

さすがはカレル離宮警備体制は万全のようだ。

 

第9号(1204/9/26)

 

【特報】新型巡洋艦カレイジャス飛翔

 全土の空に紅い巡洋艦が軌跡を残した。皇室所属、新型巡洋艦《カレイジャス》飛翔――

本誌は幸運にも、立役者であるオリヴァルト皇子殿下にインタビューを行う機会を得た。

 

本誌:まずは処女航海の成功、おめでとうございます。

殿下には本当にいつも驚かされてばかりです。

オリヴァルト皇子殿下(以下殿下):楽しんでくれたようで何よりだ(笑い)。本艦の製造には帝国臣民の税金も投じられている。諸君らにも報いる形で披露できないか、私なりに方法を考えたのだが。

本誌:実に殿下らしい発想です。そしてこの驚くべき性能…… 

大型艦にも関わらず、最高時速が3000CE/h!

殿下:世界最速であるリベールの高速巡洋艦《アルセイユ号》をベースとしているからね。

しかし最大の意義は、速度や積載能力ではない。

本誌:といいますと?

殿下:リベールの技術、エプスタインの人材、その他も多岐に渡り、各方面から多大な協力があって成功したプロジェクトだ。

私は本艦の完成こそ、地域協力と平和の証と思っている。

 

 殿下のお言葉通り、カレイジャスには性能だけでは測れない意義と可能性が詰まっているようだ。艦長に武術師範として名高いヴィクター・アルゼイド子爵を迎えたこともその一例であろう。

 《カレイジャス(勇敢なる)》号が帝国に新たな風を吹き込むことを我々も共に期待しよう。(本誌論説委員

 

 

【事件】帝国解放戦線の足取り掴めず。

 帝都での皇女殿下誘拐事件、先月の通商会議襲撃事件を引き起こしたテロリスト《帝国解放戦線》。関係者への取材によれば、足取りは未だ掴めていないという。「せめて捜索に当たる鉄道憲兵隊と各州領邦軍が協力関係にあれば…」(同氏)

 

【文化】ルーレ工科大学、秋季入学枠を拡大

 先進的な研究・開発で知られるルーレ工科大学は、秋季入学枠を拡大すると発表。また留学生の受け入れも積極的に行っていくという。「より優秀な人材を集めるため」(広報部)

 大学では現在、導力ネットワークの構築実験を行っているとされ、専門知識を持った技術者を強く求めているようだ。

 

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第10号(1204/10/21)

 

【特報】帝国解放戦線、壊滅!

 度重なる凶行を重ねていた《帝国解放戦線》が遂に壊滅した。数ヶ月にわたって国内を騒がせてきたテロリストの最期はいかなる物だったのか。本誌は現場であるノルティア州、ザクセン鉄鉱山に報道チームを派遣し検証を行った。

 

◆鉄鉱山の占拠から制圧まで◆

 度重なる凶行に続き、帝国の屋台骨ザクセン鉄鉱山を占拠するに至った帝国解放戦線。「漆黒の飛行艇が突如現れ、なす術がなかった」(鉱員の男性) 犯行声明を受けノルティア領邦軍は現場を封鎖、事態は長期化の様相を呈した。

 事態が動いたのは約4時間後、別動隊によって人質を救出した鉄道憲兵隊が強行突入を開始。巡洋艦《カレイジャス》にて駆けつけたオリヴァルト殿下により現場の混乱も終息を見た。「鉄道憲兵隊は的確かつ迅速に動いた」(現場検証にあたる軍関係者)

 

◆テロリストの最期◆

 飛空艇にて逃走を試みたテロリスト幹部だが、積んでいた爆発物が誤って作動、自滅したと見られている。なおこれまで正体不明とされていた首謀者の遺体が回収されており、軍情報局が身元の照会を行っているという。

 

◆士官候補生も協力◆

 現場では、居合わせたトールズ士官学院の生徒が解決に協力。その功績により陛下から褒美の言葉を賜ったという。

「現地で実習中だったため迅速に行動できた」(学院関係者)

将来有望な士官候補生と言えよう。一層の精進を期待したい。

 

 

【国際】クロスベルで大規模テロ事件か

 帝国解放戦線によるテロ事件が解決を見たばかりだが、東部クロスベル州では新たに大規模なテロ事件が発生した模様だ。猟兵団によるものと見られ、街は一時炎に包まれ、IBC本社ビルが完全に爆破されたという。現地では現在も混乱が続いており、続報が待たれる。

「クロスベルは先月もテロ事件があったばかり内政状態にそもそも問題があるのではないか」(情勢に詳しい軍関係者)

 なお、クロスベル州は帝国軍の助力を断り続けているとされ、経済界からも非難と早期解決を求める声が上がっている。

 

【文化】トールズ士官学院で学院祭

 帝都近郊、トリスタにあるトールズ士官学院は今、学院祭の季節を迎えている。例年本格的な催しで楽しませてくれる同学院。折りしもテロ事件解決に協力したことで注目されているようなので、この機会に訪れてみてはいかがだろうか。開催は今月23、24日だ。

 

第11号(1204/10/30)

 

【緊急速報】ガレリア要塞消滅!

 去る10月24日午後4時21分、帝国東部防衛地点《ガレリア要塞》が消滅した。独立を宣言したクロスベルが未知の新兵器を使用、我が帝国の要塞を消滅せしめたと思われる。

 

被害状況:

 ガレリア要塞は基部を残し大半が消滅。生存者が極めて少数であるため、いかなる現象であったかさえ分かっていない。ワルター中将を含む第五機甲師団も消滅、生死不明である。

 

現在の情勢:

 東部国境には現在第四・六・九・十一機甲師団が集結、双龍橋以東は厳戒態勢となっている。さらに双龍橋・黒竜関にはクロイツェン州・ノルティア州の両領邦軍が大隊を派遣し、不測の事態に備えているようだ。なお大陸横断鉄道は停止、復旧の目処立たずという。

 

帝都でデモ広がる:

 クロスベルの卑劣な行為に非難の声やまず。ドライケルス広場は連日即時開戦を叫ぶ人で溢れている。また情勢不安から帝都では物価上昇が始まりつつあり、この事態をクロスベルと共和国の共謀工作とする見方が強まっている。「打倒クロスベル、共和国の脅威に備えよ!!」(自営業の男性)

 なおIBCの口座は一切利用できない状況が続いているので注意されたし。

 

陛下ならびに政府の発表:

 ユーゲント陛下は全土の臣民に対し、確たる事態の収束を約束された。これを受けて帝国政府は断固たる対応を取ると発表、近日中に重大な声明発表を行うという。

 

 かくなる事態を誰が予想できただろうか。しかし我らが祖国は、これまでも数々の苦難を乗り越えてきた。

 先達に倣い、我らも強くあるべし。

 帝国よ、今こそ奮起せよ。                  (本誌論説委員

 

【告知】読者の皆様へ

 帝国全土で愛読頂いている本誌だが、今後は発売、配送が遅れることがあると認識しております。ご寛恕いただきたい。

 なお未確認なれど、クロスベル市周辺に巨大な青白い障壁が展開しているとの情報があります。クロスベルが何らかの兵器の使用を行っている可能性が高く、関係者各位、並びに近隣住民の皆様は十分に警戒されるよう望みます。

 一刻も早く事態が終息し、平和な時代が訪れんことを。

(本誌編集長)