徒然雑記帳

ゲームプレイを中心に綴っていくだけのブログ。他、ゲーム内資料保管庫としてほいほい投げます。極稀に考察とかする…かな?お気軽に読んでいってください。

プレイ動画・更新状況 

 ご無沙汰してます。最近ちくと体調不良を長引かせてしまいまして……。あ、コロナじゃないです。

 というわけで予約していた分のアップロード済み動画です。

 

 

龍が如く

https://www.youtube.com/watch?v=8PYRfYxz3ho&list=PL9soQZ6C1OSeWJQnbSlbTstqLV3GtsOoA

 

龍が如く

https://www.youtube.com/watch?v=nX6dPW9YkOA&list=PL9soQZ6C1OSeaFY2A6U9Pqp845PN0bJN4

極も0も亜門までやりましたが、最大難易度ではないです。どこぞのシューティングが無理すぎるのと、0はほら……引継ぎナシはちょっとめんどくさいなって……。またカツアゲ狩りするの考えたらげっそりしました。

 

・天穂のサクナヒメ

https://www.youtube.com/watch?v=xHRr5f85WM4&list=PL9soQZ6C1OSf6XRRXwflNblznm1tjf1iC

 

 サクナヒメは軌跡シリーズでデュバリィ役の大空直美さんが主人公をやっているので買ったんですが、当たりでした。大当たりですね。ただどこかでフラグ回収逃したのかいまいち謎が残ったのでまだプレイしています。ちなみに何も見ずにプレイしたので巷で噂の『トライフォース農業』も『カルタゴ農法』もバッチリやらかしております。あと動画撮り終わるまで食事のジャンルLRで切り替えられるの気付かなかった。トロフィー取ろうとして「あっ……」ってなった。

 でもなんとかなったし楽しかった。

 

 とりあえず来年はブレデフォ2がようやく出るらしいので楽しみです。

 

 ということで、今日からはファイアーエムブレム蒼炎の軌跡を公開します。難易度マニアックです。

 よろしければお立ち寄りください……。

 ではでは。

 

人でなしのエドガー 第3巻 「茜さす君に」

 昨夜の事情聴取は、状況を説明しただけで早々に終わった。相手の男も厳重注意を受けた後、程なく解放されたらしい。

「まったく。迷惑なヤツだよおまえは」

 そして今朝。財団の宿舎で顔を合わせた時点で、彼の機嫌は悪かった。

「俺が待てって言ったのも無視しやがって」

「勝手に首を突っ込んで怪我でもしたらどうすんだよ」

「どうして自分から殴られに行くような真似をするんだ」

 今日は一段と厳しい。

「でもクレムが困ってたから。これで好感度は上がるよね?」

 目を丸くしたかと思えば、怒りはシュルシュルと鎮火して、ヘンリーは諦めたようにうなだれた。

「とりあえず、おまえの名前を聞かれたから答えといた」

「そっか、ありがとう」

「これで“ただの客の1人”から“あの時のあの人”くらいには昇格したんじゃないか?

 お礼を言いそびれたって、残念そうにしてたし」

「そうなの?」

 なんだか嬉しくて、頭の中が痺れる感覚がする。

「彼女、震えてたんだ。喧嘩の仲裁に入ってくれた時」

「そりゃあそうだろ。

 むしろウェイトレスの使命感だけで、よく動けたもんだ」

「うん。強い女性なんだと思う。

 だからこそ、また同じようなことがあったら助けたい」

「へぇ、そう。2度目は助太刀しないからな」

「ん?」

 ぼくの思考が一瞬止まり、すぐにフル回転で動き出す。

「遊撃士に通報したのってヘンリー?」

「ああ。怪我人が出る前に来てくれて良かったな」

「ヘンリーって口うるさいけど、基本は優しいよね」

「そうだろ? ……って、一言余計だ」

 

 

 

 

 

 その日は昼過ぎに食堂へ向かった。入店したぼくに気がつき、クレムはすぐに駆け寄って来た。

「お待ちしてました。お席はこちらです」

 案内されるまま、店内の端へと進んで行く。他の客と距離を取ったテーブル席が用意されていた。

「もう来ないんじゃないかって、少し心配だったんです。

昨日はあんなことがありましたから」 

「ぼくは何も気にしてないですよ。

 クレムさんこそ、ここへ来るのが怖くはないですか?」

 彼女は少し俯いた。

「怖いんじゃなく、情けないです。

 お客さんに助けてもらう形になりましたから。

 エドガーさんには事情聴取を受けさせてしまって、本当にご迷惑をおかけしました」

 クレムはペコッと頭を下げた。

「そうしたいと思って行動しただけですから。

 クレムさんが気にする必要はまったくないです」

「でも……」

「ぼくを守ろうと、クレムさんだって仲裁に入ってくれたじゃないですか。

 だからお互い様です」

 彼女は申し訳なさそうに笑った。

「じゃあせめてお礼だけ。

 今日はサービスしますから、好きなものを食べてください。

 シェフが、一応お友達の分も用意していたんですけど」

「今日は用があって来れなかったんです。

 なので彼が残念がるくらい、たくさん食べてみせますよ」

 ぼくらは思わずクスクスと笑い合った。

 

 日が沈み始めた頃。

「ごちそうさまでした。おかげで楽しかったです」

 出入り口までクレムは見送りに来てくれた。

「良かった。退屈してたらどうしようって不安だったんです」

「退屈するわけないですよ。だって――」

 その続きを言えなくて、そんなぼくを彼女は不思議そうに見つめている。

「だって、きょ、今日は良い天気でしたから」

「それ、関係ありますか?」

「うーん、ないですね」

「ふふ。エドガーさんって面白い。

 また食べに来てくださいね、待ってますから」

「はい。ぼくも待ってるので、いつでも頼ってください」

「え? ……そうですね。その時は頼らせてください」

「待ってます。ぼくは、君の力になりたいので」

「――!」

「それでは失礼します」

 歩き出して少しすると、名前を呼ばれたので振り向いた。

 小さく手を振る君を、夕日が赤く染めていた。

 

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人でなしのエドガー 第2巻 「ぼくの名前を」

 いつからクレムのことを想っていたのか。「何月何日のどの瞬間だ」という記憶は無い。でも、この不思議な感情は嘘偽りなくぼくの中にあって、それが彼女に対して向かっていることもまた偽りじゃない。

 気がつけば食堂に足を運んでいて、気がつけばクレムの姿を目で追いかけていた。小柄な体で動き回るたび、美しい亜麻色のおさげが揺れている。

 クレムはぼくをどう思うだろう。ぼくの声を、ぼくの見た目を、どう感じるのだろう。

 そんな問いが、浮かんでは消えていく。

 

 

「そのスナイパーみたいな目つき、嫌われるぞ」

 今日も例外なく食堂にいて、いつも通りヘンリーは厳しい。

「だけど、ぼくはスナイパーじゃないから」

 不機嫌な友はこっちを睨んだ。

「連日ここに来ているおかげで、おまえと共犯でストーカー扱いされていないか心配だ」

「毎日来ているだけでストーカーになるの?」

「なることもあるしならない時はならないかもな……って、こんなことをいちいち説明してる俺って何!」

「ヘンリーはヘンリーだよ。ぼくの友だち」

 彼は拍子抜けしたように、バタンッとテーブルに突っ伏してしまった。

「おまえさ、今後どうするわけ?

 本当にこのまま毎日毎日ここに通うのか?」

「うん。それ以外のことが思いつかないし」

「それだけじゃ、相手には何も伝わらないだろ」

「じゃあどうしたらいいの?」

「そりゃあ、自分の気持ちを伝えるんだよ。そのまんまを。

 玉砕覚悟でいきなりぶつかってもいいが、堅実にいくなら、好感度を上げることだな」

「どうやって上げるの? クレムを抱っこすればいいの?」

「んなわけあるかッ。

 そうだなぁ、ちょうど舞いこんだシチュエーションを例にすると――」

 

「姉ちゃん、客に対してその態度はないんじゃねぇの?」

 指された先を見ると、酔った男性客とクレムが話していた。

「仕事中ですので、そう言われても困ります」

「ちょっと隣で飲むだけだって。“さーびす”の1つにさぁ」

「――例えば、ああやって彼女が困ってたら駆けつける。

 颯爽と現れたおまえの好感度は上がる。それを積み重ねる。

 ただ、今回はちと面倒に巻きこまれそうだから止めとけよ。今、解決のプロを……」

「なるほど。よく分かったよ」

 席を立ち、騒ぎの中心部へ向かう。背後から「こら待てッ」と聞こえたけど、それに反応する優先順位は低い。

 

「ん、なんだよあんた。この姉ちゃんは俺と喋ってるんだ。用なら後にしてくれ」

「ぼくが用事があるのはあなたです」

 合わなかった男の焦点が、ピタッとこちらに定まる。

「ここで話すとお店に迷惑がかかるので、表に出ましょうか」

「はあ? オレはあんたに用はねぇ。勝手に出て行きな」

「彼女もあなたに用はありません。だから一緒に出ましょう」

 男は目つきを変え、激しく音をたてて立ち上がった。背丈はぼく以上、見上げる程の大男だ。

「あんま調子乗ってると、痛い目みることになるぜ」

「席に戻ってください。私は平気ですから」

 クレムがぼくと男の間に立つ。

「でも、震えていますよ」

「――!」

 瞳に涙を溜め始めたが、口を固く結んでぼくを恨めしそうに見ている。

「あなたが表に出るまで、僕はここを動きません」

「ほう。なら力づくでどかしてやる」

 男はクレムを突き飛ばし、ぼくの胸倉に手を伸ばす。無防備な顔をめがけて拳が振り上げられた。その時。

「そこまでだッ!」

 数人の乱入者に男の動きが止まる。

「喧嘩をしていると通報があったのでやって来たが、君たちのことか」

 輝く胸の紋章。それが何を表すのか、ぼくにも理解できた。

「我々は遊撃士協会の者だ。事情聴取のため、支部までご同行願おう」

「遊撃士!? ちょ、ちょっと待ってくれ。オレたちは喧嘩なんてしてねぇぞ」

 男は慌ててぼくから手を離した。

「ちょいと愉快に騒ぎすぎただけだ。な、兄ちゃん」

「それには同意できません」

「んだとッ。生意気言いやがって」

「はいはい、そこまで。大人しくついて来てもらうからね」

 遊撃士に距離を詰められ、男の威勢の良さは影を潜めた。

「なあ、おっ母には連絡しないでくれよ? 頼むからよ」

 彼らが去ったのを見送ると、別の遊撃士がぼくに向き直った。精悍な顔つきのその遊撃士は、ボリスという名だった。

「助かりました。彼のこと、よろしくお願いします」

「ん? もちろん君にも来てもらわなきゃならないよ。

 喧嘩は両成敗だからね。学校で習わなかった?」

「喧嘩は両成敗……なるほど」

 そして肩を掴まれるまま、ぼくも連れ出されたのだった。

 

                  ◇

 

 エドガーたちがいなくなった店内。呆然としているクレム。

「いやー、うちの相棒がすみませんね。騒がしくしちゃって。

 頭でっかちなもんだから、俺の制止も効かずじまいで。

 急発進・急ブレーキなヤツで困っちゃいますよね、あはは」

 笑いかけるヘンリーに、クレムの反応は悪い。

「えーと、げ、元気ですかー?」

「……あの、一緒に行ってしまったお兄さんは?」

「へ?」

「お兄さんの、お名前は?」

「あ、ああ。エドガーですよ」

エドガー、さん。お礼を言いそびれてしまいました」

 そう呟くクレムに、ヘンリーは苦笑するしかなかった。

 

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